2025.06.23
建築街歩き…金沢市、谷口吉生氏の建築「鈴木大拙館」「金沢建築館」
こんにちは。リフォームガーデンです。
各地の建築を見てまわるのも楽しみの一つで、今回は金沢で谷口吉生氏の建築を見てきました。少しご紹介したいと思います。
金沢に行かれた際には、よろしかったら足を延ばしてみてください。

谷口吉生(たにぐちよしお)氏は、”美術館建築の名手”とも呼ばれ、米国のニューヨーク近代美術館(MoMA)などの設計を手掛けた世界的建築家です。
父親は同じく建築家の谷口吉郎(よしろう)氏で、吉生氏は父からも大きな影響を受けました。
金沢は父・吉郎氏の出身地で、吉生氏は東京で生まれましたが、幼少期に父の生家に疎開するなどゆかりの深い土地となっています。吉郎氏、吉生氏ともに金沢市の名誉市民を授与されているそうです。
吉生氏は美術館他、様々な建築を手がけ多くの建築賞を受賞しており、有名な建築の一例としては、資生堂アートハウス(静岡県)、土門拳記念館(山形県)、東京都葛西臨海水族園(東京都)や、商業ビルでは銀座のGINZA SIX(東京都)などがあります。昨年2024年の12月に逝去されました。
金沢市「鈴木大拙館」

金沢に生まれた仏教哲学者、鈴木大拙(すずきだいせつ)について展示している博物館です。
建築は、”鈴木大拙の生涯に学び、その思想に出会う場所”というコンセプトで、回廊でつながれた「展示空間」「学習空間」「思想空間」の3つの空間で構成されています。
添付した画像の水に浮かぶように建っている立方体の建築は「思想空間」で、訪れた人が各々静かに過ごせる空間になっています。建物の開口部から見える水面を時間を忘れて眺めてしまうような、独特なゆっくりした時間が流れる空間でした。
博物館はコンパクトな設計ですが、周囲の緑と溶け込み、直線や方形のフォルム、静かな水面などが特徴的です。こちらは、兼六園や金沢城から10分程度の徒歩圏内なので、時間があったら足を延ばしてみてください。
→金沢市「鈴木大拙館」
金沢市「吉郎・吉生記念 金沢建築館」

「金沢建築館」は、金沢駅から車で15分程度の寺町という場所にあり、父・谷口吉郎氏の住まいの跡地に吉生氏の設計により建設されています。
建築と都市をテーマとする博物館で、訪れた人が建築文化やまちづくりについて考えるきっかけにすることを目指しているとのことです。
その時々に開催されるまちづくりと建築に関わる特別展の他、常設展示では、父・吉郎氏が設計した迎賓館赤坂離宮の和風別館「游心亭」の広間と茶室などが原寸大で再現され、見学することができます。
建築は、鉄筋コンクリート構造を石で覆った壁面と鉄骨構造をガラスで覆った開放的な壁面で構成され、やはり直線や方形、水面が印象的でした。
右端の画像の「水庭」は2階なのですが、水を溜めるために受けている枠や構造部分が全く見えず、エッジ部分までが水になっています。いったいどうなっているのだろうと思い担当の方に尋ねると、水面の奥側には水路が設けられており、枠を見せないために常に水が流れ落ちていてポンプで循環させているとのことでした。この細部までのこだわりが、建築全体の美しさを形作っているのだと納得しました…
→金沢市「吉郎・吉生記念 金沢建築館」
金沢市には、父・吉郎氏とともに設計した「金沢市立玉川図書館」などもあります。
また東海地域で見られる谷口吉生氏の建築は、愛知県豊田市の「豊田市美術館」、静岡県掛川市に高宮眞介氏と共に設計した「資生堂アートハウス」などもあります。機会がありましたら、ぜひご覧になられてください(^^)